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森永卓郎氏のオタク産業のすすめ

 消費というものは無限に伸びる事は無い。例えば、三食食べたら満足になるので、無限には食べられない。飽和すると売れなくなる。しかし、フィギュアは無限に消費できるし、コスプレ衣装も無限に欲望も刺激する。セーラーマーズの衣装が手に入れば、次はセーラジュピターも欲しい。セーラームーンも欲しい。商品が無限に細分化して「レアモノ」に対する所有欲も無限に広がっていくんですね。こうした消費構造は、美術品や時計、ワインなどの金持ちの趣味に限られていたのですが、このオタクの世界が価値観を広く開放したのです。
 オタクの世界の特徴は、全員が需要者であり供給者でもあるということで、そこが従来の経済構造と違うんです。竹中平蔵さんの考える今までの経済学では、産業育成のために金融システムをしっかり作り、頭がよくてアイデアにあふれている人と金を結びつけて、新しいビジネスの芽を作り、それを一般大衆が買っていく。これは供給者の論理ですね。しかし、この発想自体が古い。OT(オタク産業)は有象無象の小さなものが需要者であり、同時に供給者でありながら、アメーバのようにどんどん広がっていく。ここが新しい。
 例えばアタッシュケースのハンドルを取り替えてオリジナルを作るトランスキットがある。それ専用のドライバーまでついている。ミニカーのホイールを取り替えて、ラリー仕様にするというように、マスプロダクツをちょっと変えて、自分オリジナルにするだけで個性を発揮できる。こうしたちょっとしたアイデアがすぐにビジネスになる。もちろん、すぐだめにもなるのですが、それこそが知的創造社会であると思います。ここでは。”商品寿命の短命化”、”成功確率の上昇”、”市場規模の小粒化”という3つが、同時進行で怒っている。


 テレビで大活躍の森永さんですが、氏の主張は非常に鋭いと思います。これからの需要は非常に読みにくくなってくるでしょう。私自身、フィギュアは興味ありませんが、好きな人は好きで、れっきとした市場が確立されています。こういう市場では何が売れるか予測できず、金融も非常にリスキーな立場に立たされることと思います。日本ではまだまだこういった産業構造の変化に対応しきれているとは、いえません。こう考えると国会での年金法案などは、将来保てるわけはありませんね~!政治家も含め日本人は、将来の社会構造がどうなっていくのかをまずしっかりさせるべきだと思います。
by nobuhitodayo | 2004-07-20 21:31 | 時事問題
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